百中(百重)祭
2010.8.24(火)
今回の参加の先生は住職、林副住職、鶴田先生、金先生、川本先生でした。
〜〜〜〜〜ペクチュンと盂蘭盆・卒塔婆のお話〜〜〜〜〜〜
日本でも昔は7月15日がお盆でした。これが時間の流れで今のお盆になっています。
韓国ではペクチュン、ペクチョン、言い方は色々あります。
チュルンボルンというのは中元のことです。
日本ではお中元お中元と言って皆さん夏になったらお世話になった人に品物を送るでしょう、これをお中元と言います。
お寺では、1年の厄払いの行事の一つにあたります。
日本ではお盆、本当は盂蘭盆会(うらぼんえ)と言いますが、インドの言葉から来ています。
(インドのサンスクリット語のウラバンナと発音する語を漢字に音写したと言われています。)
丁度、地蔵盆の辺りになるので、盆踊りをしたりします。
道教では、神様が人々の行いを善か、悪か、見に来る日であります。
また、果物やお米など、新しい食べ物がでる頃ですから、これをお供えするという意味もあります。
(韓国ではこの場合に百重と書くようです。)
大きなお寺などでは修行僧が、3ヶ月に渡る夏の修行が終わって出てくる日が7月15日であります。
昔、お釈迦様のお弟子の目連尊者(もくれん上人)という方が、神通力を使って亡くなったお母さんの様子を見てみると、
お母さんが餓鬼道に落ちて苦しんでいるのが見えました。
そこでお母さんのためにいろんな供養をしました。
色々な供養をやったけど、神通力でお水とか、食べ物とかを自分のお母さんに届けようとしても、それが火だるまになって燃えてしまってお母さんに届かなかったんです。
それで、ペクチュンの頃にお釈迦様に相談したら、「丁度、夏の修行が終わる。100人のお坊さんを呼んで、お経をあげて供養したらそのお母さんが救済される」とおっしゃいました。
その通りにしたらお母さんが助かったと、お経の中に書いてあります。
(この逸話から、韓国では百中と書くそうです。中はこの場合、お坊さんを指すそうです。)
(餓鬼道の供養という意味で)施餓鬼供養とも言います。
今日は、盂蘭盆の意味がわかってからお経をあげようと思っています。
それで、今日は卒塔婆に皆さんの先祖の名前、先祖代々とかいろいろと書いてあって、
この方々の供養のために法要を行います。
後は来月ですけども、来月はお彼岸でご先祖の供養になります。
23日が秋分で秋のお彼岸です。
韓国のチュソク(旧盆)が22日、私も先祖のメンジリ(法要)で行って、草刈りもしてこないといけません。
また、秋分の日から前後1週間をお彼岸と言います。
だから、信者様のお彼岸祭は29日、第4日曜日にお彼岸祭をここで行います。
私が韓国に行く前に卒塔婆をちゃんと書いて秋分の前から供養します。
私が留守の間は鶴田先生が、毎朝お経をあげるようにしながら、私が22日の晩に帰ってきてからは一緒に続けて供養して、
29日に皆さんと一緒にお経をあげて秋のお彼岸をしようかなと予定しております。よろしくお願いします。
お経のことですが、「韓国のお寺やのに何で日本のお経をあげているの?」と言われますが、
般若心経を韓国語であげても、日本語であげても、いっさい変わりません。同じことをそれぞれの言葉で読んでいます。
もう一つは、元々のお経はインドから渡ってきたものです。元々インドの言葉でした。
韓国語でしても何語でしてもあの世には伝わるようになっているんです。
御真言、光明真言、これも日本語で言っています。
ほんとはちゃんと聞いたら日本語でもなく、インドの言葉です。
それを誤解しないで、日本語でもよろしい、ハングルでも良いです。
私は韓国人だから韓国語でなければいけないと言うこともありません。
もう一つは、今どこに住んでいるか、ということです。これがもっともっと大事なんです。
ソウル、済州島、中国、インド、それぞれの場所の言葉でお経をあげています。
お経をあげるのに、卒塔婆を使っています。
卒塔婆に書かれている最初の印はインドの梵字なんです。
また、下から四角い形で地、丸い形の水、三角の火、半分の丸の風、丸い形で空を意味しています。
意味は、地面と天とを繋いでいるんです。
墓地に行ってみたら、この形のお墓がたくさんあります。
全てのお墓は、地、水、火、風、空の意味を持って建ててあると思います。
それが全くあの通りの形でなくても5段階で作られています。
これからお墓を建てるなら、この五輪という形が一番供養になると思います。
卒塔婆も同じです。
皆さんのご先祖の名前が書いてある、この卒塔婆供養が仏教のしきたりの中では一番格の高い追善供養になるということになります。
卒塔婆は大きな木でつくってそのまま墓地に建てる場合もあります。
天と地を繋がりやすくしているのが卒塔婆。だからお墓には五輪の塔を建てるべきかなと思います。
卒塔婆の意味をわかってするのと、知らないでとりあえずするのとでは違ってくるので、時間を割きました。
また、皆さんの頭上の提灯の名前の上の赤い文字は光明真言のマークなんです。
いつも暗闇を照らすと言う意味なんです。
それではお経をはじめさせてもらいます。
〜〜〜〜〜ペクチュンと盂蘭盆・卒塔婆のお話 終わり〜〜〜〜〜〜
お経の途中で、先生が卒塔婆に水を注ぎ、供養されました。
また、「今日の供養で、ご先祖様は食べ物をもらい(お供えされ)お水をもらい、お経も唱えてもらった、
そして、あの世で使うお金をお供えするために随求陀羅尼を唱えるのです。」とお話くださいました。
法要の後、みんなでお供えのお餅や、卵焼きなどを頂きました。
金先生、P様、ごちそうさまでした。
その後、お仕事などで帰られる方を見送り、、地蔵盆の法要までおしゃべりに花を咲かしたり、おもいおもいに時間を過ごしました。
合掌