１０月・月例祭

２０１０．１０．１７（日）

　この日は護摩堂にて護摩供養でした。
　髙住職、林副住職、鶴田先生、川本先生、浦崎先生、途中から金先生が参加されました。

　最初に法話がありました。

～～～～～護摩供養のお話～～～～～

　護摩供養ですが、誰でもが出来るものではありません。きちんと護摩供養の修行した僧だけが出来るものです。
　この護摩木ですが、名前を乳木と言います。また、ちゃんと寸法が決まっています。両乳の間の長さで、心の中を意味しています。
　心の中のこと、心身健康とかを皆さんが護摩木に書いて、これを、火（＝大日如来の智火）の力を借りて、お不動様が焼き清めるのです。
　皆さん、不動明王様の姿を見たら感じると思います。左手に索（さく）を持って、右手には剣を持っています。それで邪気、邪心を降伏させるんです。

　また護摩木を燃やすことによって持っている穢れを焼き清めます。
　護摩木を書いて燃やすことで、身体健康などの願いが叶えられるということです。
　これをせず、お供え物を供えるだけでは身の穢れが残ってしまうということになります。
　穢れを清めるために護摩木を燃やすということです。

　護摩壇には他にもいろいろな物を入れます。それぞれに意味があるものです。
　むさぼる心を無くすために入れるもの、苦しみを無くすために入れるもの、また、魔を祓うための豆なども入ります。
　皆さん、「護摩焚き、護摩焚き」と言いますが、護摩供養の意味がわかってすると良いかと思います。

　韓国でもこの護摩供養を行います。
　この護摩供養の中に仏教の秘密があります。秘密の中にはいろいろな意味があります。

　焚く人＝私と、神様の力と、皆さんの祈りの力と、この三つが揃って神様に届いた時には、願いが叶います。
　そのまま、身体健康に繋がります。護摩供とはそういう意味であります。

　それと、供養では水を使いますが、これもいろいろな意味を持っています。

　護摩壇の木も最初に三角に組みます。これは厄除けのためです。
　次に１２本を組み、１２のことごとを無くし、また三角にして閉じます。

　遣唐使であった比叡山延暦寺の伝教大師最澄が、またには高野山の弘法大師空海が、この護摩供養を日本に伝えました。
　もう一つ伝えた物に、梵字があります。（護摩木の）ここには光明真言の梵字が書いてあります。

　また、護摩供養は誰でも真似は出来ません。
　護摩焚きをしたい、真似したいと思っても、その秘密をわからないとできないのがこの護摩供養なのです。
　ただ形だけ真似て護摩木を焼いてもだめなのです。

　この護摩がどんなに怖いものかというと、作法に従って使わないと自分が死ぬか、人を殺すかなんです。
　そのくらい危ないものなんです。
　正しい作法で行わなければ、子供が鋭い刀を持って遊ぶようなものです。

　だから、私たちの本山でも、ちゃんと修行をして、段階が上がった人がテストを受けて、資格がある人だけがこの護摩の修行、護摩加行（ごまけぎょう）を受けられるんです。
　私も管長の許可のもと１０日の間本山にこもって、１日１～２時間の睡眠で、食事の時間もない位、お経と護摩焚きに明け暮れて、命がけで必至の修行をしてきました。
　これが終わると、１０８本の護摩（数珠と同じ数で、１０８の煩悩）を焼き清めます。

　こうして最澄が日本に伝えた護摩供養ですが、一つだけ抜けていた秘密が後になってわかります。それが光明真言でした。
　それで、本山では１３００年前から護摩木に光明真言の梵字を入れて燃やしています。

　また、ご本尊様の向きにも深い意味があります。
　参尊寺の護摩堂は阿弥陀様ですが、また吉野の蔵王権現様の３体のご本尊様も北を向いておられます。
　北向きは何かというと、仏様の力に向かっています。お釈迦様向きという意味があります。
　また、参尊寺の護摩壇は丸くなっています。敬愛和合の護摩になります。
　人間と人間のつながり、尊敬し、愛し、和やかに合わせる、という意味であります。

　護摩の火の加減も作法に則って行います。
　護摩壇の火が沈んできたら、私は不動明王の御真言をしっかりと力を込めて念じます。
　皆さんのお経と、私の力と、不動明王の力が一体になった時に火が上がってきます。

　護摩の話はもっとたくさんありますが、今日はこの辺にしましょう。

～～～～～終わり～～～～～

　続いて、お経が始まりました。
　お経、護摩供養、韓国のお経と続きました。

　お経が終われば、いつも通り信者様のお供え物をみんな一緒に頂きました。
　韓国のお餅とお菓子、キムチを頂きました。Ｐ様、ごちそうさまでした。

合掌

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