６月・月例祭

２０１０．６．２７（日）

　６月の月例祭は、髙住職、鶴田先生で護摩供養を修法されました。
　副住職の林先生は神戸大峰参栄講本部に於いて、同じく護摩供養を修法されました。
　他に参加の先生がいらっしゃらなかったので、鶴田先生から木魚をまかされました。
　久しぶりの木魚、何年ぶりでしょうか。
　最近は髙先生のお弟子の先生方が木魚を担当されますので、ずっとご無沙汰でした。
　昔、私が参尊寺に通い始めた頃は今よりずっとお弟子の先生が少なかったので、私にも木魚が回ってきたのです。

　この日、私は、ホームページの写真撮影に、読経、木魚と大変緊張しました。
　その甲斐あってか、写真が綺麗に撮れました。

　

＊＊＊＊＊法話より＊＊＊＊＊

　天気があまり良くない、というか、この季節はこれで当たり前かなと思います。
　昨日は雨でしたが、今日は晴れ晴れとして、本当に有り難いなと思います。

　さて、こうしてみるとお年を召した方が多くいらっしゃって、私が皆さんの前で説法というか、法話をする立場にあるかなぁと自分で反省することであります。
　私よりもっと修行をたくさん積まれている皆さんですので、私は生意気にこんな風に言って良いのかなと思います。
　と言いながら坊さんは衆生に説法、法話をするものですから、法話をさせてもらいます。（笑）

　しかし、私たちが生きて行くには、辛いこと、めんどうなこといっぱいありますね。
　でもその面倒なこと、辛いこと、苦しいこと、実は全てがただ者じゃありません。
　この体験こそが人間が生きて行くために　大きな体験になり、生きてゆく種になると言われております。
　だから、客観的に見れば楽に生きている人がおるなぁ　と思う時がありますが、だとしたら、違うだろうとも思います。
　誰でもみんな面倒に生きているんじゃないかと。

　誰が楽に生きてて、誰が面倒に生きているのか　区分しにくいところであります。
　考えてみると、ひょっとしたらこれは楽に生きる方法があるんじゃないかと思います。

　勉強しながら考えたことなんですが、私たち誰もが毎日様々な問題を抱えてあくせくしながら生きています。
　その中には人間関係、仕事、家族健康のこと、心のこと、まぁ人生にはやっかいな問題が絶え間なくやってくるものですね。
　一つの問題が解決すれば次の問題がすぐ出てきます。
　またそれを解決してるうちに、また新たな問題が、混乱が、難しいことに見舞われることもたくさんあります。
　これは考えによったら、これが人間の人生の問題であるなと思います。
　しかしながら、これがなかったらないで寂しいことで、これがあるからこそ、私たちが生きている証ではないかと思うのであります。
　そういうことは、教えで、頭で、わかっています。

　で、何がわかっていないかというと、心で認めていない、心がわかっていません。
　頭でわかっても、心はわかっていません。それでバランスが合っていないのです。

　頭でわかっても心で認めていない、これが一番大きな問題じゃないかと、そんな気がいたします。
　だからこそ心が納得してくれないことを、どうしたらいいのかと思います。

　私たちは心の中で、もやもやしながら生きています。
　それらの悩み、苦しみは、今現在だけにあることではないのです。
　昔、お釈迦様の時代でも同じことであって、悩み、苦しみを未だに解決してないし、それをわかってない。
　それを教えるのが仏様の教えだと思います。

　それで、お釈迦様は何を言ったかというと、仏教の教えである無常ということです。
　全てのものは、見えるもの、命があるものは誰もが滅びる、と言うことです。
　死ぬ、無くなる、変化する、ということなんです。
　だからいつまでもそのままであることはないですね。

　私たちの頭も心も、生きているからあれこれに振り回されているんです。
　何も変わらず、そのままあるといったらどれだけ有り難いことかと思います。

　無常というのは、変わらないものはこの世にないと言うことです。
　ただ、変わらないものが一つだけあります。前に居らっしゃる石の仏様なんです。変わらないんです。
　いつも同じ表情であります。いつも同じでいつも同じところに座っていらっしゃる。これが仏様なんですね。
　で、あの仏様はほんとに幸せだなと時々思います。
　なーんにも心配ありませんね。
　じっと座っていたらみんなが礼してくれるし、線香をあげてくれる。
　私も、その立場になりたい。
　その立場になりたいというと、結局、私ら全てがその立場になれる資格があります。
　自分が成仏したらいいわけです。成仏すると言うのは、生き成仏ということなんですよ。
　死んだ後の成仏はまた別の話です。

　今のうちに、自分の心があんまりゆらゆらぐらぐらしないであるがまま、そのまま全てを認める。

　私たちは仏様に礼をしたり、線香をあげたりしてますが、水をあげなくても、線香をあげなくても、何もしてあげなくても仏様は文句を言いませんね。
　ほったらかしにされても、文句は言わない。それが成仏なんですね。
　だからあの形にならないといかん、と思うのです。

　いろんな事々が、いろんな事件や、いろんな苦しみ、いらいらすることがいっぱい、と思っても、ほんとはそれはどうでも良いことですやん。

　私の頭は人間のままで良い、だけど心は仏様。と、そのままを認めることです。

　ひっくり返っても、汚くても、何しても、それはあかんやろ、いかんやろ、私はまともにしている。
　自分のことを後回ししてやってる私を、子供のために、人のために、仏様のために、いっぱいやってるのに、私をほめてくれる人は１人もいない。
　そんなことばっかり思うから、それが結局は、苦しいことなんです。

　だから、何があっても、あれやこれやと考えず、心の中は無常にする。成仏する。
　仏様を胸に、じっとしておく。
　そうすると胸がドキドキすることもない。腹立つことも、ため息することもなくなります。

　私の心の中には、仏様の姿をじっと持っている。
　目から耳から、いろんなことが見え、聞こえても、頭の中で整理して終わり。
　胸の中ににはおかない、と。忘れてしまった方が良い、と思います。

　お釈迦様は、この世は生き地獄やから、こうしないとやっていくのに辛いよ、と言うことを教えてくれているんです。
　だから無常にすること、心を空っぽにするということです。
　心を空っぽに出来なかったらどうしたらいいでしょうか。
　自分で出来なかったら、仏様神様にまかせてしまって下さい。
　心を神様仏様に預けとく、私の心は空っぽにして。
　神様仏様に頼る、じゃなくて、神様仏様に預けとく。

　仏さんの好きなようにして下さい、私を殺しても良いし、生かしても良いし、どっちでも良い、と。
　そのくらいに心を無にすると言うことが、仏様の教えではないかと私はつくづく思います。
　そうすることで、たまには晴れやかな時が来ると思います。
　そうしないと苦しいだけで、一日一日が苦しいばっかりですよ。

　みんな、自分で自分を苦しめていますよ。
　あれもこれも気に入らん。全てがおもしろくない。全て、自分で地獄を作っていますよ。

　どうでも良いやん、あかんかったらあかんで。と、思ったらどうでしょう。
　心を無にすることが仏教の教えであります。
　それでもできなかったら仏様に預ける。
　この二つが出来たら、面倒な生き方より楽に生きられるのじゃないかなぁと、思います。

　ありがとうございました。

＊＊＊＊＊法話終わり＊＊＊＊＊

　日頃、髙先生から良くいわれます。
　「あなたは、なんでも複雑に考えすぎる。ややこしいこと考えんで、シンプルにして。」
　法話を聞いて、あらためてその意味をかみしめました。

　そして、最近あったいやなこと、苦手な人のことを考えました。
　「そうか、気にしなかったら良いんだ。そしたらなかったことに～！！」
　実際はなかなかそう簡単にはいきませんが、どんなにいやな相手でも、時を経て再会したら、普通に話せたりするものです。
　難しく考えず、自分に出来ることをして、自分に恥ずかしくなければいいやん～、と思うのでした。

　この日も、信者様より、果物やお料理がお供えされました。
　感謝して、お心づくしのお料理をみんなでおいしく頂きました。
　ごちそうさまでした。

合掌

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